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少し しもぶくれ気味のかわいいテディベアの出来るまで

更新日:2022年4月24日


みなさんこんにちは

テディベア作家のMabouと申します。よろしくお願いします!


さて、このピンクチップのテディベア、先日お店のサイトにアップしたところ

すぐにお迎えいただきました!

ありがとうございました!


さて、紹介が後先になりましたが、改めて私が作るテディベアの特徴を紹介いたします。

使っているモヘアはテディベアのメーカーとしては おそらく最も有名な、ドイツのシュタイフ社製のモヘアを使って 王道のクラシックスタイルのテディベアを制作しております。


前置きが長くなりましたが、早速制作風景を見てまいりましょう!


当店のテディベアの制作の仕方は”ハンドメイドへのこだわり”に掲載しておりますので

是非 そちらもご覧ください!

作り方はいろいろな進め方があると思いますが、私はなぜが耳から作る事が多いです。

はしょってしまいましたが、この前段階にモヘアを切り抜く作業があるのですが、私は型紙からモヘアに転写するときに転写紙は使わず ダイレクトにペンでなぞっていきます。

※このやり方の方が型紙のデザインを忠実にモヘアに再現できると思っています。


毛足の長いふわふわ系のテディベアを作るのが好きなので、縫い終わったあと表側に返す時

モヘアの毛が内側に入ってしまわないように掻き出すのですが、私は写真に写っている先の尖った掻き出し棒で丁寧に毛を外に出していきます。


さて、表側にひっくり返し、先ほどの引っ掻き棒を使って縫い目からふわふわな毛を出してあげて、まずは耳の完成です!

どうでしょうか、このピンクチップモヘアは発色も綺麗で当店でも人気のカラーです。

シュタイフ製のモヘアは大変高価ですが、毛並みも丈夫で ちょっとやそっとでは切れたりしないので結果的に作業もしやすく 完成した時には長い年月を一緒に過ごせるテディベアになります。

ここからはいよいよテディベアの最も大切な部分 頭部の制作にうつります。

私は頭部やお顔が完成すると一気にテンションが上がり、その後のフローを一気に進めてしまえるのですが、この頭部が完成するまで、何度も何度も試行錯誤を繰り返してしまうので

一体のテディベアを作る工程を100とすると この頭部が60ぐらいになるかもしれません。

そのくらいに頭部とお顔には時間をかけます。


写真は頭部を縫い終わった状態です。ここからひっくり返してフォルムを確認する時が

一つ目のドキドキする瞬間です。

はい、これが表側にした状態です。

ここでも先ほどの引っ掻き棒で縫い目から丁寧にゆっくり内側に入っているモヘアの毛を掻き出します。

写真はすでに頭部の中にテディベア専用の綿を入れた状態です。

綿は鼻先にむかってかなり強く詰めていきます。これは後ほど刺繍糸で鼻を作っていく際に鼻先が硬くないとうまく刺繍ができないからです。かなり強くギュウギュウと詰めます。

写真では耳をなんとなく置いていますが まだ縫い付けておりません。

これは、この状態で 耳をつける場所、目の位置 鼻の形状 口元の形など、かなり念入りに確認します。特に目の位置は ほんの数ミリ変わるだけで お顔の表情ががらりと変わってしまうので一番時間をかける部分です。

ご覧のように、頭部に耳を付けた後、私の場合はまず目の位置から決めていきます。

私はガラス素材で作られたグラスアイを使用する事が多いのですが、このピンクチップのテディベアもブラックのグラスアイを選びました。

モヘアの色などに応じて、ブラウン、ブルーなど様々なアイカラーにすることで

ベアの表情や性格までも変えてしまうので、本当にいつも目の素材や位置には時間がかかります。


次に鼻を作っていきます。この写真はまだ鼻の制作途中ですが、このように刺繍糸を

縦や横に何回も何回も通していきます。ここで頭部の鼻先への綿の詰めがあまいと思うように刺繍糸が通らず、思い通りに鼻の形になりにくいのです。



鼻の制作の途中で口も作っていきます。写真のアングルが悪く判りづらくて申し訳ありませんが こうして、頭部の耳の位置や大きさ 目の位置 などを見ながら 鼻の大きさや口元の形を整えていきます。

ここまで来ると、ようやくお顔の完成です。


次は両腕を作っていきます。

向かって左側が腕の外側で右が腕の内側になります。綿の入る部分を開けて全体を縫い合わせていきます。ひと針ひと針手縫いで丁寧に縫い合わせていきます。


縫い終わったものを表側に返した状態です。

この段階ではまだ綿は入っていません。腕も他の部分と同じように引っ掻き棒で丁寧に毛先を整えていきます。

全体的にピンクのモヘアですので、今回は手と足にボルドーのファブリックを使いました。

このファブリックも大変触りごごちの良い素材です。どの素材も私自身が必ず手に取って納得したものを使用しております。


腕の上部の関節部分に穴が空いているのがわかるでしょうか。

これは金属のジョイントが通る穴です。

これも写真では少しわかりにくいのですが、ボディとつながるパーツのジョイント部分のモヘアの毛を刈り込んでいます。これはお互いのパーツ同士が干渉して動かなくならないようにするために刈り込みを行います。


腕の外側です。

この段階で、綿を詰めて金属ジョイントも入れております。

綿の詰めかたも頭部と同様に手先と関節部分では詰めかたを変えております。


関節部分を金属ジョイントで止めた画像です。

金属ジョイントはこのようにスチール製のビスを専用の器具で変形させて止めます。

安価なプラスチックのジョイントに比べて扱いが難しいのですが、ビスの変形具合を調整する事で関節の強度を調整できますし、何より長年ご使用いただく事を前提として制作しておりますので、ここはこだわって金属ジョイントを使用しています。


腕と同様に脚部分も制作していきます。

※ 表に返した時の写真を撮影し忘れてしまいました ^o^;



これだけでは何かわかりにくいですが、胴体です。これも腕と脚の関節部分のモヘアを刈り込んであります。

お尻の部分には当店オリジナルを証明するタグがつけてあります。


これで頭部 腕 脚 が完成しましたので 各部分をジョイントで繋いでいきます。


胴体の中からジョイントで各関節を接合した後、胴体に綿を入れていきます。


その後、再度 腕や脚の綿の入り具合を調整して全体を整えていきます。

ここまでで制作開始から 約3日ほどかかっております。


全体的にハサミなどでモヘアの毛足を調整して

ようやく、ピンクチップの少し しもぶくれのお顔のクラシックテディベア、

完成です!


制作するテディベアにより、モヘアやデザインは変わりますが、制作順序などは ほとんど同じです。

もちろん、量産品などに比べてハンドメイドは手間暇がかかるのですが、

ひとつひとつ表情が異なり、見ていただいた方に一期一会の出会いを楽しんでいただくのもテディベア作家としての喜びでもあります。


このテディベアはすでにお迎えいただきましたが、他にも個性的なテディベアをご用意しております。

また、オーダーも賜っておりますので、このピンクチップのベアがいいなと思っていただいた方はお気軽にお声がけください。あなたのオリジナルを制作させていただきます!


現在も新作のテディベアをつくっておりますので、その様子も次回のブログに書かせていただければと思っております。


テディベア作家 Mabouでした。

ではでは また。




下のコメント欄からご感想などいただければ励みになります。


また オーダーなどもこちらからお声がけくださいませ。

その他のいろいろなテディベア作品も是非ご覧ください。








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